年金の未納について

住宅資金計画のライフプランシミュレーション時に、将来の年金受け取りの予測をするために、必ずご夫婦それぞれの年金定期便を用意していただきます。

その中で「学生時代に年金のことなんて考えてなくて、国民年金保険料を支払っていない」という方がたまにいらっしゃいます。
では支払っていない場合、果たして、どのくらい年金受給額へ影響があるのでしょうか?

その前に、まずは年金制度のおさらいです。

日本国内にお住まいの20歳以上60歳未満のすべての方に、国民年金への加入が法律で義務付けられています。(国民皆年金)
つまり20歳以上の方であれば、原則、全員加入となっているのが国民年金という制度です。

公的年金制度に加入して、保険料を納め続けることで、次のような時に年金を受け取ることができます。
 ① 一定の年齢に達した時(老齢基礎年金)
 ② 病気やケガで一定以上の障害が残ったとき(障害基礎年金)
 ③ 亡くなったとき(遺族基礎年金)

保険料を未納のまま放置していると、これらの年金が受け取れなくなる場合があります!

未納のパターンとして多いのが、大学や専門学校の学生の時に「国民年金保険料を納める」という認識が無く、支払っていないという方が多いように思います。

もし、学生で納付が厳しいという方は「学生納付特例制度」というのがあります。
「学生納付特例制度」とは、「免除」の特例のことです。

申請をし、学生納付特例制度の承認を受けている期間は、保険料を納めた期間として通算されます。
(※老齢年金の受給資格期間に含まれますが、老齢基礎年金の額の計算の対象となる期間には含まれません)

つまり、学生時代に未納期間があった場合、国民年金部分の給付額に影響が出るということですね。

20歳から60歳までの40年間支払った方が国民年金の満額受給者となりますが、学生時代などに未納期間がある方は、その分減額されることになります。
(以前は国民年金は25年以上の納付期間がないと年金を受け取ることができませんでしたが、平成29年8月からは納付期間が10年に短縮されました。)

未納の方の中には経済的に国民年金保険料を納めることが困難な方もいらっしゃいます。
その場合は未納のままにしないで、「国民年金保険料免除・納付猶予制度」の手続きを行ってください。
(保険料免除や納付猶予になった期間は、年金の受給資格期間には算入されます)

では仮に学生時代に未納期間が2年あった場合の受取額を計算すると、以下になります。
①満額年金額(20~60歳までの40年間、480ヶ月間全てを支払った場合の年金受給額)
平成30年度の満額年金額=779,300円 ※これは毎年変わります。

②未納期間2年間(24ヶ月)での減額される金額
1ヶ月未納で減額される金額=1,624円
1,624円×2年間(24ヶ月)=38,976円

③「満額年金額」から「未納期間により減額される金額」を引く
779,300円-38,976円=740,324円

未納期間が2年間だった場合、将来受け取ることができる年金額(年間)は740,324円。

では、未納期間が10年だった場合はどうなるでしょうか?
①満額年金額=779,300円

②未納期間10年間(120ヶ月)での減額される金額
1,624円×10年間(120ヶ月)=194,880円

③「満額年金額」から「未納期間により減額される金額」を引く
779,300円-194,880円=584,420円

未納期間が10年間だった場合、将来受け取ることができる年金額(年間)は584,420円。

いかがですか?
意外と簡単に計算できますので心配な方は自分で計算してみてください!

ちなみに、10年間の未納期間があった場合、将来もらえる老齢基礎年金額は584,420円/年間でしたね。

月額にすると48,701円
これではちょっと生活は厳しいかもしれませんね・・・。

では未納となっている分は、後からではどうしようもないのでしょうか?

安心してください!後から納付することができます!!
これを追納・後納といいます。

ただし、遡って納付できる期間が決まっていますので注意が必要です!

学生時代に「学生納付特例」などの免除を受けているかたは、過去10年以内の免除期間に限られています。

免除分に関しては過去10年間以内であれば遡って保険料を納付することができます(追納)。
(例えば、平成29年4月分は平成39年4月末まで、原則古い期間から納付)

ただし、3年以上前の保険料を追納する場合には、猶予されていたときの保険料に一定の加算額が加わります。
つまり当時の納付額よりも高くなります。

また、免除の申請をしておらず未納のままになっている場合で、平成27年10月から平成30年9月までの3年間に限り、時効で納めることができなかった国民年金保険料について、過去5年分まで納めることができます(後納)

後から納付できる制度はあるものの、遡れる期間に関しては限界がありますので、未納をしないことが一番ですね。

ちなみに免除等の承認を受けた期間の保険料については、後から納付することにより老齢基礎年金の年金額を増やすことができるだけでは無く、社会保険料控除により所得税・住民税が軽減されます。

https://www.nenkin.go.jp/service/kokunen/menjo/20150331.htm
(日本年金機構 ホームページより)

また、転職してすぐに職に就かない時に手続きを忘れていて、国民年金保険料が数か月の間未納になっている方もいらっしゃいます。

転職したときは、忘れずに手続きをして無職の期間も国民年金保険料は必ず支払うようにしましょう!

最後に、年金だけで生活できるかどうか?
または老後の生活資金に不安がある方は、一度お金の専門家でもあるファイナンシャル・プランナーに相談してみてはいかがでしょうか。